平成24年4月に発生したツアーバス事故等の影響により、貸切バス市場における過剰競争や運賃・料金の計算方法が複雑で分かりにくいなどの問題が浮き彫りになり、国土交通省は貸切バスの安全性を向上させる取り組みの一環として、貸切バスの運賃制度の見直しを行いました。
旧運賃制度は複数の料金算出法に基づいて料金を決定していましたが、新しい運賃制度では「時間・キロ併用制運賃」という算出方法に絞ることで、バス運行のコストに見合った料金を合理的でわかりやすい算出することができるようになりました。
また、貸切バスの新運賃制度では、バス事業者は決められた上限額と下限額の幅の中で料金を決定する必要があり、違反した場合には行政処分を受けることになります。
貸切バスの料金は「時間制運賃」と「キロ制運賃」の2つを合算して計算いたします。料金は1時間あたり、1キロあたりの上限(最高額)と下限(最低額)が決められており、その幅の中で計算されます。
貸切バス運賃 = 時間制運賃+キロ制運賃
現在、貸切バスの最低利用時間は3時間と定められており、実際に利用する時間が3時間以下の場合であっても、3時間借りたと見なされることになります。
また、安全性対策のため、バスが出庫する前と帰庫した後に必ず安全点検などを行う必要があり、それぞれ1時間ずつの合計2時間が必要となります。時間制運賃の算出法方は下記のようになります。
時間制運賃 =(出庫・帰庫点検の2時間 + 実際のご利用時間)×1時間あたりの単価
キロ制運賃の計算方法は、バスの出庫から帰庫までの距離で算出いたします。
時間制運賃の算出法方は下記のようになります。
キロ制運賃 = 実際の走行距離×1キロあたりの単価
■おろくバスの運賃及び料金表設定
上限額 | 下限額 | |||
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運賃 | キロ制運賃(1kmあたり) | 大型車 | 250円 | 170円 |
中型車 | 210円 | 180円 | ||
小型車 | 180円 | 120円 | ||
時間制運賃(1時間あたり) | 大型車 | 5,870円 | 4,060円 | |
中型車 | 4,960円 | 3,430円 | ||
小型車 | 4,260円 | 2,950円 | ||
料金 | 交替運転者配置料金 | キロ料金表(1km当たり) | 50円 | 30円 |
時間料金表(1時間当たり) | 3,130円 | 2,110円 | ||
深夜早朝運行料金 | 時間制運賃及び交替運転者配置料金 (時間制料金)の2割増以内 |
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特殊車両割増料金 | 運賃の5割増以内 |
※時間制運賃の場合、3時間未満の運送については5時間として計算した額にする。
※運賃・料金に対しては別途消費税(10%)が加算されます。
※距離の端数については、10キロ未満は10キロに切り上げる。
※時間の端数については、30分未満は切り捨て、30分以上は1時間に切り上げる。
貸切バスの料金計算のシュミレーションとして、具体例を挙げてみたいと思います。
日帰りで走行距離190km(1kmあたり200円の場合)、走行時間を10時間(1時間あたり4,500円の場合)を想定した料金例になります。
※上記の走行時間に出庫前・帰庫後点検、回送時間も含めて走行時間12時間になります。
※こちらの料金例はあくまでも一例です。実際の料金はお問い合わせください
貸切バスをご利用するにあたって、下記の条件の際には料金が割増となる場合がございます。
22:00~5:00の間に係るバスの運行において、2割を上限とした割増料金の適応。
長時間の運転・長距離運転・夜間の運行などで、安全に運行するために交替運転者を用意する場合、交替運転者配置料金の上限額~下限額の範囲の間で計算した額が割増適応されます。
標準装備以上の特殊な設備等を備えるバス(サロンバス・リフトバス等)において、運賃の5割以内の割増料金を適応することができます。
ご予約のキャンセル(取消)に関しまして、一般貸切旅客自動車運送事業標準運送約款に基づき、下記の内容でキャンセル料金が発生いたします。
キャンセル料につきまして | |
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配車日の14日~8日前まで | 運賃および料金の20% |
配車日の7日~24時間前まで | 運賃および料金の30% |
配車日の24時間以降 | 運賃および料金の50% |
配車日の当日配車後 | 運賃および料金の100% |